建設業経理士2級 精算表の解き方(3)
こんにちはsk(エスケー)です。
精算表についての3回目の記事になります。1回目、2回目は読んでいただけたでしょうか?読んでなければリンクを貼っておきますので2回目だけでも読んでからこの記事を読んでいただきますようお願いします。
主な論点
全ての回を確認したわけではありませんが、精算表で問われるところはだいたい決まっています。問われる論点は
- 貸倒引当金を設定する。
- 減価償却費を計上する。
- 有価証券等の評価をする。
- 振出た支払手形の勘定科目が適切か?
- 建設仮勘定の決算仕訳をする。
- 退職給付引当金を設定する。
- 仮払金・仮受金の決算仕訳をする。
- 工事保障引当金を設定する。
- 完成工事原価を算定する。
- 法人税等の処理をする。
ぐらいでしょうか。
この論点のうち7つぐらいは出てくると思うので、この10個の論点は外さないようにしなければダメだと思います。
このうち2回目で仕訳していないのが、3、4、5ですね
3の有価証券の評価に関する仕訳ですが、有価証券に関する勘定科目のうち売買目的で保有する有価証券について問われることが多いと思います。投資有価証券や関連会社株式勘定でもあり得ますが、決算ごとに価値を判断すべきなのは売買目的で保有する有価証券です。
問題文
<決算整理事項>
有価証券は売買目的で保有している。帳簿価格¥400,000の有価証券の期末時価は¥370,000である。
仕訳
(借)有価証券評価損 30,000 (貸)有価証券 30,000
となります。
貸借対照表の有価証券の価格が370,000になります。
4の支払手形に関する区別ですが、受取手形でも支払手形でも「通常の営業取引に関わる手形」と「そうではない手形」区別しなければなりません。それが支払(または受取)手形と営業外支払(または受取)手形の区別となります。
問題文
<決算整理事項>
自社の倉庫の建設のために取得した土地の代金¥500,000を約束手形を降り出して支払ったが、支払手形で計上されている。
仕訳
(借)支払手形 500,000 (貸)営業外支払手形 500,000
となります。
自社の倉庫建設は通常業務とは言えないので営業外支払手形勘定に移動します。
5の建設仮勘定とは、現場で使用する機械を発注して完成するまでに支払ったお金などを処理する科目です。
問題文
<決算整理事項>
機械装置が期末に完成し引き渡しを受けたので、建設仮勘定に計上している¥50,000を本勘定に振り替えた。
仕訳
(借)機械装置 50,000 (貸)建設仮勘定 50,000
となります。
精算表の手順
- 整理記入欄に記入したら合計を出し、貸借の一致を確認してください。この時には法人税の中間納付分の扱いは2回目でも書いたように忘れないでください。
- 損益計算書、貸借対照表に移記します。
- 損益計算書を合計して、税引き前の当期純利益(損失)から税金を計算し、整理記入欄の税金関連の数値を計算・記入します。
- (余裕があれば)整理記入欄の貸借を再度計算して、問題がなければ貸借の差額を損益計算書の当期純利益(損失)とします。
- 貸借対照表に未払法人税等税金関係の数値と4で計算した当期純利益(損失)を移記します。
- 貸借対照表の貸借を確認します。
これで精算表の完成です。
まとめ
精算表に関してはとりあえずこれで終わりにします。
わからない事があれば 記事へのコメント、twitter、「問い合わせフォーム」からお願いいたします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。