FP・ギョーショ・建設業経理士 受験日誌

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第25回建設業経理士検定試験 2級をやりました-その1

こんにちはsk(エスケー)です。いろいろありまして、更新が滞ってしまいました。

3月中旬にひとつ区切りがつきましたので、がんばって記事をアップしようと思います。

今回は3月10日に実施された第25回建設業経理士検定試験の2級の問題をやってみましたので、私なりの解き方を含めて書いてみようと思います。

 第一問 仕訳問題

(1)自家用の材料倉庫を自社の施工部門が建設中で、発生した原価¥5,800,000は受注した工事と同様の会計処理を行っていたが、決算にあたり正しく処理をする。

 

まず、自社の建物を建てることと受注した工事の施工は区別して計上しなくてはいけません。自社の建物の建設は通常の営利活動ではありません。本来なら、原価を計上する段階で分けておくべきものですが、なぜか分けられず一緒に計上されている状態です。

通常の工事の対する原価(支出)は、工事が完成するまでは未成工事支出金に計上しますので、今行われてる仕訳は

(借方)未成工事支出金 5,800,000 (貸方)各種支出 5,800,000

です。

 

自社倉庫の建設原価は完成後、事業の用に供する(つまり、完成したら受注工事のために使用する)段階で有形固定資産に計上されるのですが、完成していない段階ではいまだ固定資産ではありません(完成するかどうかわからない)。そんな時使用する勘定科目が 「建設仮勘定」です。答えは次のおとりです。

 

(借方)H 建設仮勘定 5,800,000 (貸方)D 未成工事支出金 5,800,000

 

(2)支払期日の到来していない工事未払金¥2,350,000について、小切手を振り出して支払、¥7,600の割引を受けた。

これは問題文のまま仕訳すればO.K.ですね。

 

(借方)K 工事未払金 2,350,000 (貸方)B 当座預金 2,342,400

                 (貸方)U 仕入割引   7,600

 

(3)現場作業員の当月の賃金は¥935,000であった。源泉所得税¥39,000、社会保険料の作業員負担分¥19,000を控除して現金で支払った。

 

作業員の賃金なので工事原価になります。工事原価を計上する際の勘定科目は 未成工事支出金です。なお、本社の事務員の給与であれば販管費に計上です。区別できるように理解しましょう。源泉所得税社会保険料の作業員(社員)負担分は会社に入るお金ではなく、賃金・給与から預かっておいて会社がまとめて納付する仕組みでしたよね。で、仕訳は

(借方)D 未成工事支出金 935,000 (貸方)W 預り金  58,000

                   (貸方)A 現 金  877,000

です。

 

(4)前期に着工したY工事については、信頼性を持った総工事原価の見積もりができていなかったため、工事進行基準を適用していなかったが、当期に実行予算が作成され、当期より工事進行基準を適用することとした、Y工事の工期は3年、請負金額¥75,000,000、総工事原価見積額¥67,500,000、前期の工事原価発生額¥10,500,000、当期の工事原価発生額¥43,500,000であった。当期の完成工事高および完成工事原価に関する仕訳をしなさい。

 

まず、前期では工事進行基準でなかった訳です。ということは、工事完成基準で計上してあると言うことです。つまり、いまなされている仕訳は

(借方)未成工事支出金 10,500,000 (貸方)各種支出 10,500,000

です。これを頭の片隅(問題用紙の余白)においておいてください。

 

次に、請負金額と総工事原価見積額から 67,500,000 ÷ 75,000,000 = 0.9

となるので、計上する工事原価は完成工事高の90%であることがわかります。問題文からは工事原価の合計しかわからないので工事原価の合計 ÷ 0.9 で完成工事高を求めます。

当期の完成工事高は前期との合算となりますので

(前期分 10,500,000 + 当期分 43,500,000)÷ 0.9 = 60,000,000 

が完成工事高となります。

 

当期完成工事高 60,000,000 、当期完成工事原価 54,000,000なので、仕訳は

 

(借方)C 完成工事未収入金 60,000,000 (貸方)Y 完成工事高  60,000,000

(借方)N 完成工事原価  54,000,000 (貸方)D 未成工事支出金 54,000,000

となります。

 

(5)運転資金調達のため、手持ちの約束手形¥400,000を銀行で割り引き、割引料¥2,800を差し引いた金額を当座預金に入金した。なお、遡及義務に関しては評価勘定を用いる方法による。

 

問題文に「遡及義務に関しては評価勘定を用いる」とあります。遡及義務とは、受け取った手形を裏書譲渡した場合、その手形が不渡りになった発生する偶発債務です。

記帳方法は2つ、「手形裏書義務見返」「手形裏書義務」という対照勘定を用いる対照勘定法と、「割引手形」や「裏書手形」という勘定を用いる評価勘定法です。

 

この仕訳は評価勘定を用いるとありますので割引手形勘定を使用します。

また、割引料は手形売却損となります。

(借方)B 当座預金  397,200 (貸方)L 割引手形  400,000

(借方)M 手形売却損  2,800

 

割り引いた手形や裏書譲渡した手形が決済されたときに「受取手形」勘定から手形の金額を減らします。

つまり、決済完了時の仕訳

(借方)L 割引手形  400,000 (貸方)E 受取手形  400,000

が必要です。

 

対照勘定の場合は、割引時の仕訳は

(借方)B 当座預金  397,200 (貸方)E 受取手形  400,000

(借方)M 手形売却損  2,800

(借方)R 手形割引義務見返 400,000(貸方)G 手形割引義務 400,000

となり、決済完了時に手形割引義務を消しこむ仕訳をします。

つまり、決済完了時の仕訳

(借方)G 手形割引義務 400,000 (貸方)R 手形割引義務見返 400,000

が必要です。

 

まとめ

今回の問題はいろんな評価ができそうですが、しっかり学習しておけば正解にたどり着ける問題だと感じました。

 

自分が受けていたら第2問の問題文で少しあせったと思います。

 

長くなりましたので、今回はここまでとします。

最後までの記事のリンクです。

リンク

第1問 仕訳問題(この記事です)

第2問 理論問題(穴埋め)・第3問 理論問題(正誤)

第4問 部門費振替表

第5問 精算表 前半

第5問 精算表 後半

最後まで読んでいただいてありがとうございます。