建設業経理士2級 第1問対策 その2
こんにちはsk(エスケー)です。
今回は建設業計理士2級 第1問対策 その2 ということで、「完成工事基準」、「営業外手形」、「資本的支出と収益的支出」の仕訳について書いていきます。
完成工事基準
その1では工事進行基準の仕訳でしたが、地元のゼネコンさんや専門工事会社さんは工事完成基準を採用していることが多いと思います。
工事完成基準とは「複数の会計期間に渡って工事が進行している場合、工事が完成し発注者に引き渡した時に工事収益を計上する方法」です。その1でやった工事進行基準が「複数の会計期間に渡って工事が進行している場合でも、会計期間ごとに工事収益を計上する方法」であることを覚えているでしょうか?
工事完成基準と工事進行基準の違いは次のようなイメージです。
例えば
3年前に請負金額¥10,000,000で受注した工事が完成し、引渡しを終えたので完成工事として計上する。この工事に関する未成工事受入金は¥5,000,000あり、未成工事支出金は¥8,800,000計上されている。
を完成工事基準で仕訳した場合
(借)未成工事受入金 5,000,000(貸)完成工事高 10,000,000
(借)完成工事未収入金 5,000,000
(借)完成工事原価 8,800,000(貸)未成工事支出金 8,800,000
となります。
工事完成基準と工事進行基準の勘定科目の関係を覚えておくと、建設業簿記から商業簿記へ数値を移行する時に便利です。工事の途中での採算性の確認に便利です。
営業外手形
営業外手形とは、例えば自社倉庫を立てた場合の支払いに振り出した手形のことで、本来の営業目的に直接関係のない手形のことです。営業に関する手形とそれ以外を分けて記帳するのです。
例えば
自社倉庫を自家建設で完成した。建設原価¥5,000,000のうち4,500,000は建設仮勘定で処理されており、残額の500,000の外注工事代金の決済のため手形を振り出した。
を仕訳した場合
(借)建物 5,000,000 (貸)建設仮勘定 4,500,000
(貸)営業外支払手形 500,000
となります。
資本的支出と収益的支出
資本的支出とは資産として計上すべき支出のことで、反対に収益的支出とは費用として計上すべき支出のことです。
例えば
自社倉庫の改良補修工事を外注業者に依頼していたところ、完成して引き渡しを受けたので代金¥1,000,000を小切手を振り出して支払った。この支出のうち¥600,000は倉庫の改良工事として資本的支出とされるべきものである。
を仕訳した場合
(借)建物 600,000 (貸)当座預金 1,000,000
(借)修繕維持費 400,000
となります。
まとめ
今回は、仕訳問題でよく問われているところを取り上げてみました。
一般の会社などではあまり見かけない仕訳もあるかと思いますが、このあたりが建設業経理士としての知識の見せ所になってきますのでよく理解しておくと実務で役立つことが多いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。